2016.07.01地区選考会から「つなぐ」

更新日 2016年07月01日 18時34分

  全日本大学駅伝の地区選考会が始まり、6月18日に関東地区、19日には九州地区を取材しました。いずれもトラックで1万メートルを走り、各校8選手の合計タイムを競う方式ですが、本大会の駅伝と同じように「つなぐ」という意識がチームの明暗を分けたように思いました。

 9枠を争った関東は、各校2人ずつの選手が4組に分かれて競い合います。会場となったさいたま市の日中の最高気温は33・3度。1組目は午後5時開始とはいえ、蒸し暑さの中、1人でも棄権すればチームが失格となる点は駅伝と同じです。

 「暑さに強いので、流れを作るために選ばれた」。こう話したのは、中央学院大で1組目を任された村上優輝選手。チーム内の投票でメンバーを選び、1組目に抜擢されたそうです。スローペースの展開から終盤に抜け出し、30分41秒91の1着でゴール。心理的に余裕を得たチームは、総合7位で通過しました。

 九州の1枠をもぎ取った日本文理大も、1組目の松田隆宏と高橋流華の両選手が1、2着に。最終組に留学生が控えるライバル・第一工大に対し、1分27秒の貯金を作れたのが大きかったと思います。チームは勢いに乗りました。2組目以降の選手も、ラストスパート勝負で敗れることはありましたが、積極的にレースを引っ張り、先頭にくらいつきました。 

エースが集う最終の4組目では、その働きが当落を左右します。関東の順大は、関東学生対校選手権の1万メートルで日本選手トップだった塩尻和也選手を投入。しかし、遅れを取り戻せず、チームは総合10位で落選しました。1着に1分近くの差をつけられた塩尻選手は「プレッシャーも含めて、流れを変える走りをするのがエースの役割なのに」と自分を責めていましたが、最終組までに良い流れを作れなかった場合、エースにかかるプレッシャーは相当なもの。できれば良い位置で、つなぎたかったはずです。

 一方、同じく3組目まで通過圏外だった日大は、最終組で留学生のパトリック・ワンブィ選手が28分45秒84の1着。「大砲」が悪い流れを一気に断ち切りました。ワンブィ選手と最終組を走り、12着にまとめた駅伝主将の石川颯真選手の言葉が印象的です。「駅伝の選考会はチーム戦ですから」。つなぐ「たすき」こそないものの、選考会から駅伝は始まっているのだなぁ、と思いました。7月10日の東海地区選考会はどんな展開になるのか。今から楽しみです。(小林直子)

小林 直子
(こばやし・なおこ)

2008年入社。今年5月にスポーツ部に異動し、大学駅伝の担当に。
学生時代は陸上部。故障していた大学2年の時、応援に駆けつけた全日本大学駅伝の地区選考会で、チームメートが本大会出場を決め、勇気づけられた思い出もあります。けがに苦しむ選手や支えるマネジャーなど「大学駅伝の舞台裏」にも迫りたいと思っています。


小田 邦彦
(おだ・くにひこ)

銀行勤務を経て、1999年入社。陸上、バドミントン、重量挙げなど、アマチュア競技を長年担当。
全日本大学駅伝の取材は2005年から。優勝校よりも、敗れたチームの方が気になる44歳。


増田 創至
(ますだ・そうじ)

1999年入社。学生時代は陸上の長距離選手。
全日本大学駅伝は、先頭でたすきをもらって首位を明け渡し、陸上雑誌の表紙になってしまった思い出の大会です。

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