秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会
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カテゴリ【巌本記者の取材日記】 更新日 2012年11月 2日 18時18分
10大会連続10回目の東北福祉大です。
全日本の初出場は35回大会(2003年)で18位。
以降、一度も途切れることなく、今回で節目の出場回数に到達しました。
過去最高は36回大会(2004年)の15位。
昨年は残念ながら過去最低の24位に終わっているだけに、今年の伊勢路に賭けるチームの思いは並々ならぬものがあると思います。
最近の5大会は、21位、17位、22位、20位、24位です。
チームを率いるのは、小崎浩信監督(43)です。

小崎監督は宮城・気仙沼高をへて東北福祉大へ。
現役時代は短距離の選手でした。
1994年から母校の指導をしています。
東日本大震災後は、部を挙げて宮城県石巻市などの被災地でのボランティア活動にも力を注いでいます。
「被災地に元気を」
そんなメッセージも込めつつ、伊勢路に向かうとのことです。
「今年の地区選考会は大変でした。チーム状態が上向かず、競歩の選手にも出場してもらったぐらいだったので。何とか本大会に進むことができるだけに、しっかりとした走りを皆さんにお見せできればいいなと思っています。戦力的にはやはり厳しいものがありますが、エースの池田を中心に、出来る限りのレースを展開したいと思います。まだまだ復興に時間がかかっている被災地も多くあります。いろんな方々へ元気と感謝の思いをお伝えできればと思っております」
そして、小崎監督を支える一人が、冠木(かぶき)雅守ヘッドコーチ(31)です。
小崎監督の右にいるのが冠木コーチ。

冠木コーチは2004年から四国のくろしお通信で3年、四国電力で1年、実業団選手として走っていました。
2006年の日本選手権3千メートル障害で7位の好ランナーでしたが、故障が続いて思うように走れなくなった時、東北福祉大の恩師である小崎監督に大学院生として誘われ、2010年まで全日本にも出場していました。
「今までに比べると、今年のチームは戦力的に厳しい部分はあります。でも、それぞれが意識を高く持って、大事に伊勢路を走ってもらいたいと思っています。東北からの代表として、とにかく元気な走りを皆さんに見てもらいたいです」
チームの柱は佐藤文哉主将(4年)、宮城・角田高出身です。

昨年の全日本は6区を走って区間25位。
今年は東北インカレの1万メートルで、自己ベストを更新して8位入賞しました。
「ベストを出せたことは、とてもうれしく思っています。チームとしてとにかく元気な走りをお見せできればいいなと思っています。関東に比べるとレベルはかなり落ちてしまいますが、自分たちのやれることを伊勢路でやる、ということだと思っています。精いっぱい頑張ります」
4年の主力の一人が佐藤司選手、山形・楯岡高出身です。

昨年の全日本は走ることはできませんでした。
今年は東北インカレの3千メートル障害で4位入賞。
10月の出雲駅伝では東北学連選抜のメンバーに選ばれ、4区を任されて区間19位でした。
「最上級生になって、最もモチベーションが高まっている感じです。監督やコーチからいろんなアドバイスをいただいて、頑張って伊勢路に向かおうとの思いでいっぱいです。状態はまあまあかなと。伊勢路で走ることができたなら、まずは家族への感謝の思いを込めながら、そして被災者の方々へ少しでも元気を伝えられるような走りができればいいなと思っています」
そして、チームのエース格が池田圭選手(4年)、秋田・西目高出身です。

池田選手は東北インカレで5千メートル、1万メートル、3千メートル障害の3冠を達成。
日本インカレでは3千メートル障害で見事2位という力走を見せてくれました。
このレース、トップにわずか0秒68差という惜しいレースでした。
昨年の全日本は1区を任されて区間21位。
「最終学年で、個人レースとしてはそれなりに納得できる走りが出来ました。駅伝ではチームの中心ですし、プレッシャーもありますが、全力の走りをしたいと思っています。チームを勢いづけられるような走りができればなと。関東との差はものすごくありますが、東北としての意地を見せたいと思っています」
そして、準エース格が3年の門脇幸汰選手、山形・酒田南高出身です。

昨年の全日本は4区を走って区間22位でした。
今年は東北インカレの5千メートルで2位、1万メートルで4位と健闘。
出雲駅伝の東北学連選抜メンバーに選ばれ、1区を任されて区間19位。
池田選手の後をつぐ存在です。
「今年はそれなりにいい練習ができています。個人的にもトラックでそこそこの結果を残せましたし、この感じを駅伝につなげられればと思っています。自分がチームを引っ張るんだというぐらいの思いで、伊勢路に挑みたいなとおもっています。やっぱり、地方の意地を見せたいですね」
10月中旬、仙台市内のグラウンドにお邪魔しました。
東北福祉大といえば、早朝練習に重きを置くチームです。
この日のメニューは12000M。
一定のペースで一歩一歩刻みます。

トラック周辺には雑草がよく生えるため、選手たちで時折整備も行うそうです。

見学している記者にとっては、上着がないとさすがに寒い。
選手たちはそんな寒さにも負けず、黙々と走り込みます。

終了。
円陣を組み、小崎監督や冠木コーチが課題や反省点などを伝えます。

途中、小崎監督がユーモアを交えつつ、アドバイス。
場が笑いに包まれます。

さあ、本番は目前です。
すべての出場チームの健闘を、祈りたいと思います。
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カテゴリ【巌本記者の取材日記】 更新日 2012年11月 1日 19時05分
昨年、連続出場が24回で途切れた山梨学院大。
悔しさをバネに、1年で伊勢路に復帰しました。
全日本に初出場したのは、1988年の19回大会で8位。
そこから24年連続での出場が続いていました。
過去最高は1990年の22回大会など通算10度の2位。
2けた順位は1度だけと、ここまで好成績を挙げながら優勝がないのが、
逆に不思議な気がします。
直近の5大会は、古い順に5位、6位、3位、5位、9位です。
チームを率いるのは、上田誠仁監督(53)です。

上田監督は香川県出身。
香川・尽誠学園高時代にインターハイの5千メートルで2位に入るなど、高校時代から頭角を現し、順大へ。
順大では箱根の5区で活躍し、2度の区間賞を獲得した好ランナーでした。
その後は地元の香川で高校や中学の教員を務め、1985年に26歳で山梨学院大の監督に就任。
箱根初出場から6年目でチームを優勝に導きました。
「全日本は昨年、連続出場を途切れさせてしまったので、本当に残念でした。テレビ観戦は悔しかったですね。この1年は試練の1年だと思ってやってきました。また、上を目指すために、一つひとつの課題をきっちりとクリアしていこうと。鋭いスピードランナーはチームにいませんが、それぞれが少しずつレベルアップできつつあるなあと思います。伊勢路では、何とか、最後まで上位争いから脱落しないように踏ん張ってほしいですね」
チームの柱は牧野俊紀主将(4年)、千葉・西武台千葉高出身です。

一昨年の全日本は3区を走り、区間13位。
今年の箱根は8区を任されて、区間6位の走りを見せました。
出雲は3区で区間13位でした。
「全日本は2年連続不出場だけは絶対避けたかったので、選考会をトップ通過できて、いい結果を残せてよかったです。この勢いを保ったまま、本番に向かうことができればなと思っています。今年は特に、下級生の頑張りが目立っていて、僕ら上級生にとってすごい刺激になっています。目標は大きく、3位以内を目指したいと思っています」
チームのエース格と言えば、井上大仁選手(2年)、長崎・鎮西学院高出身です。

今年はさらに成長を遂げ、関東インカレのハーフマラソンで2位。
全日本の選考会では、1万メートルで29分1秒28の自己新記録を更新。
さらに日本インカレの1万メートルでは5位入賞を決めました。
「夏場に少しけがをしましたが、以降は徐々に上がってきています。トラックでそこそこ結果を残せていますし、タイムも出せていますので、いい流れで来ていると思っています。自分はチームの中心の一人として頑張らないといけないなと実感していますし、プレッシャーを感じつつも、それをうまく乗り越えられたらと思っています。同世代にいいライバルもいますし、負けたくないですね」
そして、今春入ってきた双子兄弟です。
前田直人、拓哉の両選手(1年)。ともに、熊本国府高出身です。
写真は左が兄の直人選手、右が拓哉選手。
高校時代はともに県大会の上位に入る力を持っていて、5千メートルは14分台。
今後の成長が楽しみな兄弟です。
「最初は別々の高校に行こうと思っていたのですが、中学の先生たちから2人で競い合って頑張った方がいいと言われて、一緒の道に進むことを決めました。練習でも、試合でも、ライバルだと思ってやっています」と直人選手。
拓哉選手は「兄には負けたくないですね。でも、最終的には2人ともに駅伝シーズンで活躍できればいいなとも思っています」と語ってくれました。
9月下旬。
山梨県甲府市の練習グラウンドにお邪魔しました。
空の向こうに見える頭一つ抜けた山が富士山とのこと。

静岡での勤務経験がある記者にとって、富士山は身近な存在でしたが、山梨側から見るのは初めてで、感動しました。
練習前、今後の日程や練習に取り組む姿勢など様々なアドバイスを送る上田監督。

この日の主なメニューは400M×20。
強めの風が舞う中を、選手たちは精力的に走ります。

上田監督が鋭い視線を送ります。

次第に暗くなり始め、長袖シャツだけでは肌寒かった。
合宿地を巡った暑かった夏が遠い昔のようで、一方で、熱い秋が始まるんだなと。
そんなことを、ふと思いました。
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カテゴリ【巌本記者の取材日記】 更新日 2012年10月30日 18時46分
昨年の全日本は8位。
シード権を逃しましたが、今年の箱根駅伝で3位に入り、関東学連選抜推薦校として5大会連続の全日本出場を決めました。
箱根での表彰台は、2位だった39回大会以来、49年ぶりの快挙でした。
箱根駅伝は1920年の第1回大会から出場し、通算7度の優勝を誇る古豪です。
一方、全日本の歴史は浅く、初出場は2006年の38回大会で13位。
1年おいて、2008年の40回大会から毎年出場しています。
順位は2008年の11位から、3位、6位、8位です。
全日本でも、長い歴史を刻んでほしいと思います。
チームを率いるのは、西弘美・駅伝監督(60)です。

西監督は福岡県出身。
福岡・飯塚商高から日大へ。
日大4年の時に、箱根1区で区間新の快走を見せました。
実業団のヤクルトやスズキで活躍した後、日大のコーチに。
2001年から明大の長距離を指導し、2004年に監督に就任しました。
「昨年度は出雲、全日本での課題をうまく見つけ、それを箱根駅伝に結びつけることができました。それに、昨年度は鎧坂という強力な柱がいたのも大きかった。鎧坂をいかにうまく生かすかを最優先に考えた前回まででしたが、新年度はそうはいきません。どれだけの底上げができるかを課題にやってきました。なかなか思い通りとはいきませんが、下の世代が頼もしく成長してきているのは大きいと思います。全日本では、まずはシード権を目指さないとと思っています」
チームをまとめるのは菊地賢人主将(4年)、北海道・室蘭大谷高出身です。

昨年の全日本はアンカー8区を任されて区間9位。
続く箱根では2区を走って区間5位の力走を見せました。
「チーム全体として、今季は充実した練習が取り組めていると思いますし、底力が徐々についてきたかなとも感じます。鎧坂さんという大きな存在がいなくなっただけに、どれだけ一人ひとりが意識を高くもって取り組めるかどうかがカギと思っています。主将として、いろいろ悩むことはありますが、最後まで気を抜かずにチームを引っ張っていくことができればと思っています」
今年の明大は2年生が主体になりそうなチーム。
その柱の一人が有村優樹選手(2年)、鹿児島実高出身です。

昨年の全日本は3区を任されて区間7位。
続く箱根では、8区を務めて区間3位の快走を見せました。
今季は一つの目標だった1万メートルでの28分台を達成。
さらなる成長が楽しみな選手です。
「夏は実業団の合宿に参加するなどで、いろいろ経験を踏ませてもらいました。それなりに充実した練習ができたかなと思っています。記録も28分台を出すことができました。ただ、記録会でタイムを出すだけでは、本当の強さではないと思います。どんな条件でも安定した走りを見せられるかどうかが大事です。難しいとは思いますが、そんな理想を求めながら頑張っていきたいと思います」
そして、もう一人の柱が大六野秀畝選手(2年)、鹿児島城西高出身です。

大六野選手と言えば、秋の日本インカレの5千メートルで日本選手トップの4位に食い込みました。写真は、その時撮影したものです。
昨年の全日本は1区を任されて区間4位の力走。
続く箱根でも1区を走り、区間6位と健闘。
日本インカレの走りでさらに注目度が高まっている選手です。
「日本インカレは留学生のハイペースに惑わされたりしましたが、何とか自分の走りができたかなと思います。日本人トップは素直にうれしいです。この流れをうまく、駅伝シーズンにつなげたいと思っています。駅伝シーズンではどこを任されるか分かりませんが、とにかくチームに貢献できるような走りを目指したいと思います」
うかがったのは、9月初旬の北海道紋別市での合宿でした。
30キロという記者には想像がつかない距離を走り込む日。
空港そばを走る道路は、延々と続く直線です。

一定のペースで刻む選手たちを、車から監督が見守ります。

終わりが近づいてきたころには、日が傾き始めていました。
本当に、お疲れ様でした。
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巌本 新太郎
(いわもと・しんたろう)
取材日記担当
プロ野球、高校野球、サッカーなどが主な担当でしたが、昨年から、大学駅伝を含めた一般スポーツの担当をしています。1973年生まれ、大阪府出身。今年もよろしくお願いします。
渋谷 正章
(しぶや・まさあき)
万歩計の旅 担当
昨年春から名古屋本社スポーツグループのデスク。東京都出身。ここ数年、家にいると、妻からは「早く仕事に行きな」「どっかに出掛けて」と追い出されることの多い40歳。
主催:日本学生陸上競技連合/朝日新聞社/テレビ朝日/メ~テレ/